【連載第20回】
Hagakure 構造とは、Google が推奨するリスティング広告のアカウント構造です。今回はこのHagakure 構造についてご説明いたします。
Hagakure構造とは
Google のアカウント構造は、以下の3層で構成されていいます。
- アカウント
- キャンペーン
- 広告グループ
このアカウント構造を可能な限りシンプルに設計することを Hagakure 構造といいます。
Hagakure 構造が以前は、「1 広告グループ、1 キーワード」のアカウント構造が主流でした(下記図)。しかし、広告運用の領域で機械学習が進み、自動化機能の急速な進歩や拡大、AI の精度向上に伴い、広告運用のアプローチの仕方が、情報をいかに集積し、それを改善のために活用するかというものに移り変わりました。アカウント構造を細分化するアプローチである「1広告グループ、1キーワード」では、細分化に伴いデータの収集に時間がかかるため、結果 PDCA を回す速度も遅くなります。そのため、改善速度を競合よりも上げることが重要になった現在では、Hagakure 構造が推奨されるようになっています。

Hagakure 構造の例として、下記図のように広告グループ単位で、同じテーマを持つ広告文やキーワードを集約し、それぞれ設定します。

Hagakure構造のメリット
- インプレッション数が集約し、品質スコアが改善する
広告の品質スコアを評価する指標の1つに『推定クリック率』があります。この指標は広告の過去のクリック数とインプレッション数の影響を受けます。Hagakure 構造により、各広告グループに分散されていたインプレッション数が1つの広告グループにまとめることで、品質スコアが評価されやすくなります。
- PDCAを迅速に回すことができる
アカウント構造をシンプルにすることで、運用工数が削減することができ、その分の工数を広告文のテスト等に使うことができます。また、1つの広告に対しデータの蓄積される速度が上がるため、より早く検証・改善を行うことができます。
- 自動入札機能(機械学習)が機能しやすい
広告表示回数やコンバージョン数値等のデータを1つの広告グループにまとめることで、データの母数が増え、自動入札機能が機能しやすくなります。
Hagakure構造のデメリット
- 部分一致キーワードの入札調整ができない
部分一致キーワードの個別での入札は、手動で単価調整することが可能です。しかし、自動入札設定の場合は部分一致キーワードの個別での入札調整が不可能になります。また、部分一致のキーワードを広告グループに含めている場合、表示回数を獲得できる部分一致のキーワードに予算が偏る場合があります。そのため、部分一致についてはキャンペーンを分けて入札単価を設定し、管理する必要があります。
- レポートの作成に時間がかかる
データを一つのキャンペーン、広告グループに蓄積するため、キーワードごとに細かく数値を見ることが難しくなります。そのため、レポート作成などについては、細分化されたアカウント設計のものより時間がかかってしまいます。
- 自動入札機能(機械学習)が機能するまでに時間がかかる
設定してから最初の1週間程度はデータを蓄積し、最適化のための学習期間が必要になります。その間は成果が安定しないことが多いです。
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- (17) Google Tag Manager (3/3) -リマーケティングリストの作成 –
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- (13) 広告文の考え方
- (12) リマーケティング
- (11) スマート ディスプレイキャンペーン
- (10) 入札戦略について
- (9)品質スコアについて
- (8)キーワードの一致タイプについて
- (7) キーワードの選び方
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